第6話 誰が地域を活性化するのか。

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 このコラムもそろそろ半年を迎えるわけですが、他の研究員の皆様とは違い、いつになってもネイチャーテクノロジーらしい香りやら植物の話になりません。で、そろそろ、そのネタに行こうかなと思ったのですが、その話をするにももう少し前提条件のお話をしたいので、今しばらく、香りや植物と関係のないお話にお付き合いください。

■地域を活性化する担い手は誰だ

 さて、言い訳はこの辺にして、本題に入りましょう。前回まで、外目から見た地域活性化の4条件を見てきました。外から見ればこの4条件をそろえればいいということなのですけど、実際問題、その4条件を、いつ、どこで、だれが、どのようにして揃えればいいのかという、内側から見た問題が発生します。
 で、今流行のキーワードが「地域活性化の担い手」という奴です。地域再生戦略会議とかでも、結構最近は重要視されているのですが、スキーム書いて金つけても、担い手がいなければ意味がないってことで、この担い手って奴が注目されています。いわば「だれ」という部分です。
 でも、特別な「担い手」という人種が必ず存在しているものなのでしょうか。

■よそモノ、ばかモノ、わかモノの神話

 実は「地域活性化における担い手」論は昔から存在しています。たとえば「よそモノ、ばかモノ、わかモノ」論なんかは非常に有名です。
 地域にずっと住んでいる人には地域のよさを相対的に見比べて判断できないので「よそモノ」がよそからの視点で、良いところを見出し、その良いところに対して、地域をあげてアクションをするように地域の人が理解できないことを先駆けてやり始める「ばかモノ」がそれに点火し、そして馬力のある「わかモノ」がその仕事を引っ張っていく、というモデルです。
 このモデルは結構実際あっているようですけれど、実は、このモデル自体、外目から見た地域活性化論でしかありません。そんなに都合の良い「よそモノ」が必ずしも地域に住み着くわけでもなく、そういうキップの良い親方風の「ばかモノ」がいるわけでもなく、そしてこの少子高齢化社会で、そんなネタを牽引する「わかモノ」もそれほどいる保障はありません。
 しかも、僕が先に紹介してきた事例は、必ずしもこの3モノが揃っているわけではないのです。

 地域にそんな特殊な人種がいないとダメですか?と言うことはないということなのです。いればいたで、地域活性化に取り組む上でいいことが多いのでしょうけど、いなければいないように頑張ればいいということになります。
 じゃぁ「地域の中にはどんな人がいるの?」「どんな人が地域活性化を担うの?」という新たな疑問が発生します。順番に考えてみましょう。

■実際、地域の中にはどんな人がいるの?

 さて、こんな他人事のようにコラムを書いていますが、僕も、愛知県安城市のはずれのほうの地域に住む一地域住民です。多分、このコラムを読んでいるあなたも、どこかに住む、どこかの地域の住民であるはずです。地域にどんな人が住んでいるの、という問いの回答の一つは「あなたです」というのがその一つです。
 ようは、自分が地域住民なのですから、自分のこととして考えて見ましょう「地域住民の自覚ないけどなぁ」という人もいれば、「地域をどぎゃんとせんばいかん」というひともいるでしょう。さらには「こんな地域好きじゃないからどうなってもいいよ」という人もいるでしょう。そういう人々をひっくるめて地域の中にいる人なのです。そんな想いがごちゃ混ぜになって地域の活性の状態が出来上がっているものです。
 でも、多くの人は、そこまで極端に、自覚の有無とか好き嫌いでアクションを取っているわけではないと思います。どちらかと言えば、
「まぁ、地域のことは大事だけれどさ、自分の仕事もあるしさ、そのほかにもやることあるしさ、少しは気になるけど、だれかやってくれる人がいれば応援ぐらいはするよ」
というニュアンスの人が大半だと思います。
 どどのつまり、自分の都合と言うものがどの人にも存在しているのです。

■自分の都合。だけれど、それはみんなの力。

 「あなたの都合はどんな都合ですか?」と聞けば、子どもであれば、勉強やら習い事、部活動でしょうし、大人であれば仕事がメインでしょう。引退した年寄りだってそれ相応にやるべきことがあったりします。そう考えると、地域の人は地域のために活動できなくて、自分のために活動しないといけないことになります。
 例えば、仕事を例に取ります。会社には会社の都合があります。そして、その会社の都合に合わせて、あなたは働かなければなりません。それは当然あなたの生計だからです。それはそうなんだけれども、その仕事は地域社会の一部を何らかの形で構成しているはずです。とすると、あなたの都合であなたが働く、若しくは会社の都合で働くのかもしれませんが、実際はそれが地域社会を形作っている以上、あなたの仕事は即、地域のためであるはずなのです。実は、適切に働くと言うことがより良い地域社会を作る試みに繋がるのです。
 みんなが自分の本業をまじめにやる。それが、地域活性化の第一歩なのです。でも、その一歩は踏み出してるよ。という人は多いはず。では、なぜその一歩が生きてこないのでしょうか。
 実はまじめに本業を行うことは大事だけれど、それだけではまだ足りないのです。