一月ほど、間が空いてしまいました。11月はSOHO月間と言われるだけあって、弊社の研究者でもありますが、本業がSOHO事業者なのでその他のイベントやら仕事やらにかまけて、ついうっかり飛ばしてしまいました。このコーナーを楽しみにしていただいている方がいらっしゃいましたら本当にスミマセン。
■あんみつって好きですか?

さて、何をいまさらという声があるかもしれませんが、12月1日に私の住む安城市にも地域SNSと言うのが誕生しました。日本中すでにあちこちに大小さまざまな地域SNSが開設されています。安城密着サイトってことで「あんみつ」と名づけられたこのサイト、実は気がつけば私も地元のボランティア団体を通じて運営委員という形で関わる羽目になってしまいました。安城市にご関心のある方は是非当サイトをご活用ください。まぁ、こういう民間主導のサイトを作ろうという答申を出した安城市地域情報懇話会なるものの委員もはるか昔やっていたので、答申に沿ってできた以上、やりたくなくても自業自得ではあります。
ちなみに地域SNSってのは、mixiとかいう友だちのネットワークやサークルをホームページ上に構築しちまおうというやつの、地域限定版のものだと思っていただければ、ほぼ間違いありません。SNS全般の特徴としては、友だちのつながりや、サークルのつながりを本人が視覚化して自覚できるということでしょうか。
■収穫物を他人や親族に上げることを、無上の喜びとしている人々って
「友だちやサークルのつながりを視覚化できて、それがどうした。地域活性化と関係あるんかい」という声もあるかと思います。僕は「ある」と思っています。なぜそう思うのかというと、地域活性化の基本は人のつながりにあるからに他なりません。9月の島根県での講演で、引用した本の一説があります。大学生のときの教科書で、余りまじめに勉強しなかったので最近読み返して、はじめて意味が分かりました。長いですけど引用します。
生活保護基準以下の年金しかないのに、その生活はつつましいが、わりあいゆったりしているように見える世帯に出会うことである。たいていはその地域に生れ育ち、わずかな土地に菜園をつくり、収穫物を他人や親族に上げることを、無上の喜びとしている人々である。そのような人達の生活状況を調査して共通していることは、生活の根拠がどっしりとしているということである。親族以外の近隣との交流も頻繁で、予想以上にもののやり取りが行われている。いざというときの援助や介護の体制もはっきりしているし、もしものときには地元の社会福祉施設を利用することも積極的に考えている。それに対して、このような年金生活者より収入では上回っているはずの生活保護受給高齢者の場合、社会的に孤立をし、生活の張りというものが感じられない感じられないケースが多い。高齢化してからその地域に転入し公営住宅に住んでいる。病気が生活の生気を奪っているが、それ以上に社会的ネットワークを失っていて、相談する相手も援助や介護をしてくれる人のあてもない。(地域づくりと自己教育活動、P.276)
うちのセンターにいるとよく実感できます。以前にもイモの話題やらなんやらと、農作物系のネタがありますが、まさに「収穫物を他人や親族に上げることを、無上の喜びとしている人々」が、うちの安城市民活動センターの若造相手にネットワークを構築しているわけです。
大事なのは人のネットワークであって、そのネットワークを持っているがゆえに人として活発に生活ができるのです。反対に、そうして活発だからこそ、人のネットワークが出来るのです。そうでなければ、具体的な問題が後々、高齢者になってから発生するということです。まさに、つながりを持っている人と言うのは、「活性化している人」であり、地域活性化の基礎です。と同時に、そういう人が作るネットワークの目があるからこそ、地域に入り込んだときに、すぐにその人が活性化しやすいとも言えます。
■ナゾの暗号もそうでない言葉でも
ネットワークを自覚できて定量化できるってのは、人がつながりをつくろうって頑張る良いきっかけになります。ところが、こうした人のつながりと言うのは、なかなか定量化しがたいものがあります。遠くの人であれば年賀状の枚数なんてのは、案外良い定量化の手法かもしれません。ところが、近くのネットワークと言うのは日常的過ぎるがゆえに、定量化が難しいところがあります。そこで、地域SNSのように、自分の近くの友だち関係や近くの所属関係が見えてくると言うのは、そういうつながりを作る補助手法としては優れています。
でも、あくまで補助手法であって、このSNSに閉じこもっていては、結局実際のつながりにはなりません。SNSに限りませんけど、どんなITツールでも何でもいいのです。
ポイントは、これをきっかけに、本当に人と人のつながりを構築することなんじゃないかと。それさえ構築できれば、人は人として元気に生きられます。人という存在は、人のネットワークの中にしかありえないということ。それは、現役の働き盛りだと忘れがちになります。お金ポンと払って解決できることと、仕事という中で人のネットワークにいやでも取り込まれているからです。
ちなみに、うちの子どもなんかは、こんなナゾの暗号を、うちのセンターの職員と交換していました。なんだか分かります?親である私にも分かりません。それでも、その職員とは分かり合っているようです。こんな小さなチビでも、人とつながることで笑顔になりますし、明らかに元気になります。反対に、そういうつながりを拒否されれば凹みます。人の元気の根源なんてこんなもんなんだろうなぁと思います。
■つながりのために手段を選ばず。
地域に溶け込むことは、なかなか容易ではありません。当然、個人個人が自分の責任で、手段を選ばず努力することも大切です。でも、その個人個人は、又地域を構成している人間でもあります。その個人個人が、地域のほかの人に自分とつながる手法を提供して、つながっていない人とつながろうという努力も大切です。地域SNSも一つの手段ですし、うちの子みたいにナゾの手紙でも、センターに来てくれる人々のように自分が作った野菜でも、なんでもいいのです。
つながりのために手段を選ばず。そいう姿勢が地域活性化には大事なのかもしれませんね。
今年のコラムの更新は今回が最後です。一年間読んでいただき有難うございました。来年も皆様良いお年をお迎えください。
関連URL
安城密着コミュニティサイト「あんみつ」
http://www.an-mitsu.jp/
