第13回 地域をデザインするためには

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 あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。
 さて、年末年始は事故なくつつがなく過ごされましたでしょうか。私は比較的平穏に過ごしました。が、年始あけてから、お手伝いをしているNPO法人の事務処理をしに北海道へ。帰ってきて、来年度からやらせていただくPTA役員の引継ぎとバタバタと過ごす羽目になり始めました。
 今年も、一年あっちの地域こっちの地域と地域活性化に奔走しそうです。
 で、年始のコラムなので、楽しいコラムと行きたいのですが、一年の計は元旦にありということで、少しお堅いコラムでいこうと思います。

■とりあえず、去年までのまとめ。

 昨年後半のコラムをまとめますと

・地域の活性化は地域に住む個人の活性化である。(7話)
・個人を活性化するには他の人とのつながりの広がりと深さが重要である。(12話)
  ・つながりの証拠や結果としてのお金が重要である。(8話)
  ・お金がなくても動くつながりが重要である。(10話)
  ・お金の向こうにある相手に思い至ることが重要である。(9話)
・つながりを動かすためには地域のリズムに合わせることが重要である。(11話)

となります。

で、何が言いたかったかというと、個人の活性化には人と人のつながりが大事であるという非常に当たり前の話だったりします。


■地域から個人へ。個人から地域へ。

 確かに地域の活性化と言うのは個人の活性化に他ならないのですけど、ここまでの議論の中で、「他の人とのつながりを作りやすい地域をどう作るべきか」という問題点は残っていますし、同時に、「活性化した個人の力をどのように地域に生かしていくのか」ということも、出来れば考えていくべきでしょう。
 特に後者は、人口の少ない地域であれば、個人の力を四方八方に散らしてしまうと、地域として活性化しているようには見えにくい地域となってしまいがちです。そのためにまずは、活性化した個人を方向付けることを考えることが重要になります。


■活性化した個人は放っておくとどうなるのか。

 個人の活動はそのつながりのあるほうへあるほうへと流れていくものです。往々にして、現代のわが日本に住んで、普通に学校教育を受けて卒業して社会人になると、その人のつながりと言うのは、基本的に社会人になって所属した場所で次々と構築されていきます。そうすると、その就職先の都合に応じた方向に、その活性化した個人の力は流れていきます。職場としては実にありがたいことです。
 そうすると活性化した個人の力の流れる方向は、その個人が意識するとかしないとか言うことを別にして、原則としてその人の職場の求める方向に近いほうに向くということになります。

 では、どうすれば地域の共通目標に向かって、活性化した個人の力を向けることができるのでしょうか。
 方法は二つです。一つは、「個人個人が直接、地域のことを思っている人とつながって、総体として地域のために活性化した個人の力を使うように仕向けるという方法」。もう一つは、「個人が所属する地域の職場を上手くつなげてその方向性を作る方法」です。


■地域活動の価値

 地域のことを思っている人と人がつながるというところに、PTAや町内会、消防団といった地域活動の価値があります。いわば所属を離れて、地域というつながりを新たに作り出す場です。「個人個人が直接、地域のことを思っている人とつながって、総体として地域のために活性化した個人の力を使うように仕向けるという方法」に他なりません。ところが近年、そういう活動は大変になりつつあります。その辺の理由はまた別のところで論ずるとして、地域の共通目標に向かって個人に力を向ける第一の方法は現代では期待するのが難しいということになります。

 では、おのずともう一つの方法である「個人が所属する地域の職場を上手くつなげてその方向性を作る方法」というのに期待せざるを得ません。でも、営利法人であればできればグローバル市場でしっかり稼ぐことを優先したいでしょうし、自治体であっても国が作る法令にそった条例に則って仕事をすることが義務付けられます。それ以外にも、そういう事情をあげれば切りはありません。なので、各職場が地域の都合に合わせた行動をすると言うのはなかなか難しいところがあります。


■法人同士のお付き合い

 「ほらねぇ、こうなっちゃったら俺みたいな平社員があーだこーだ言っても会社は変わらんでしょう。結局、地域の活性化なんて職場のトップの気まぐれじゃんか」となります。確かにそういう側面はあるのですけど、さっきの地域活動とは違って、こちらの事情はむしろいいほうに変化しつつあります。
 企業活動を持続的に行うために従業員の住む地域や環境を、一私企業の都合で決めてはいけないという意識の高まりがあり、CSR活動という形で広まりつつあります。そこまで行かなくても、法人として「地域も何とかしないといけないよな」という意識が醸成されつつあります。
 それであっても、各職場は一般には法人で、それぞれ別の人格と目的を持って生きています。そうすると、すでに存在している法人ではそこの地域活性化の問題だけに対して取り組むということは、なかなか難しいところあります。また、日本の風土の中で、法人と個人の関係は、雇う雇われるの関係か、サービスを売る買うの関係というので限定されがちです。
 法人の行動を少しでも変えるのに明快な契約関係を結べない個人や任意団体(法的人格がない相手)でやり取りするというところには難しさがあります。


■地域をデザインする法人

 「だったらどうすりゃいいんだよ。俺の言うことなんざ聞いてくれないんだろうし、町内会とか既存の地域団体じゃぁ人格がないからだめなんだろ」といいたくなります。ストレートな解決方法としては、地域活性化の方向性を考えている人々が法人格を取ってしまえばよいという話になります。いわば、地域をデザインする法人です。
 実は、そこで初めて、地域活性化における法人格の議論というものが発生します。そのときに最適な法人格の一つとして、特定非営利活動法人(通称としてNPO法人)、という形式があるのです。最適な理由として、その定款に書き込むべき事業目的が比較的地域活性化に資する内容のものに限定されがちであるということがあります。当然、デメリットもあります。ただ、その辺の法人の一般論に関する話も書き出すと切りがありませんので、別の機会に譲りたいと思います。


 次回からは、こうした地域をデザインする法人の実例を紹介していこうと思います。寒い日が続きますが、皆さんお体に気をつけて、今年一年、ご自分の住む地域の地域活性化にがんばってください。僕も頑張りますんで。