そろそろ、年度末です。学生さんだったり、子持ちの方ですと、何だか一区切りだなと思える時期です。あと、公的なお仕事に携わっている方、そういうお客様をお持ちの方も、年度末進行ということで火を噴くような忙しさという方も少なくないかと思います。
これを書いている私も、見事に年度末進行で、市民活動センターの方もなんとなく落ち着かないし、それ以外のお客様の引き合いで出張も非常に増えてバタバタしております。
で、そんなクソ忙しい中に、7日、8日の2日間も時間を割いて「第4回地域SNS全国フォーラムin宇治」というところに行ってきました。せっかくなので、ちょっと話の流れに沿いませんが、簡単にご報告がてらのコラムを一つということで。
■地域SNSってなんじゃらほい。
とりあえず、本コラムの第12回で、うちの地域SNSの「あんみつ」を紹介させていただいております。そこで、地域SNSの価値と意義を説明させて頂いております。よければ再読いただくとして、ここではまとめとして、「地域の中での自分と周囲の人や団体とのつながりを視覚化し自覚を促すツール」としておきます。自分のこの考えそのものは、間違っていないし、最もあるべき姿である、という自負というか自信はあります。
ところが、全国各地の実情に対し、同じツールというか技術を、その目的の通りにしか使ってはいけない、という決まりはどこにも無いわけであります。その部分に対して、2日間出ずっぱりでパネリストやらコーディネートで活躍していた、国際大学GLOCOMの庄司講師曰く「地域もいろいろ、(だから)地域SNSもいろいろ」という状況なのです。
■地域の内のSNSでも、地域の外からのSNSでも、略称は一緒。
わたしが下した地域SNSへの定義に対して、真っ向から反対の状態だけれど、最も優れた成果を出しているのが、八戸の「はちみーつ」。うちのSNSと名前が似ているのは偶然です。実は昨年10月にこの運営に携わる日山さんとはお近づきになって、色々聞いていたのですが、そのときはSNSに興味がなく、大学の先輩後輩ということでただ飲んでバカ話をしていただけでした。今回、じっくりお話を聞くことが出来ました。
この「はちみーつ」は、地域SNSといいながら、地域外の人を引き込み、SNS内で地域外のファンとの関係性を構築し、購買力やアイディアといった外の力を、ぐいぐいと引き込むことを積極的に行っています。ある種のITブラックホールです。地域SNSといいながら地域の外への飛び道具としてガンガン使っているわけです。その破壊力がホッキ貝の相場を左右するほどの存在感に。
他の地域SNSの大半は、多かれ少なかれ飛び道具としても使いたい、でも地域の中の人たちのためにも使いたい、その辺の接点をどこに置くとうまく行くのかな、というところが悩みどころなんだろうなぁと思いながら2日間の講演を聞いてきました。
■地域SNSで人生が変わっていいのか。
で2日間の講演で、つながりを構築する、もしくは自覚するツールである地域SNSと捉えたときに、一番気になったのが、ユーザーの声を紹介した二日目のセッションです。
誤解のないようにはじめに言っておくと、今回、全国フォーラムに出て、地域SNSが自分が思っているより素晴らしいツールであるということを学びましたし、その実効性には改めて期待をしています。まぁ、言い換えれば「お、あんみつをもっと真面目に運営せにゃいかんぞ」という自覚が芽生えたぐらいです。
ユーザーの声で、会場やパネリスト諸氏が絶賛していたのが「地域SNSで人生が変わった」というものです。地域SNSからものを見た場合、これはその力を示す素晴らしいことなのかもしれません。しかし、悪い言い方をすれば、たかがSNSで作りだせる程度の情報流通で人生が変わるほど、今その地域そのものの情報流通とか人のつながりが崩壊して、地域が疲弊している、ということの証左でしかないように思うのです。
すなわち、地域そのものという視点から、この「地域SNSで人生が変わった」という発言があまりに多いのであれば、いかに地域が既存組織の運営等で形式的にしっかりしていたとしても、実はつながりのありようという観点では、地域は崩壊している(していた)、といわざるを得ないわけだとおもうのです。
■地域活性化の一助になるために
「はちみーつ」のように、ある種の目的外使用で地域SNSの可能性を広げることがいくらでも出来るということと、場合によっては、人生を切り開くほどの力があるというのは、非常に夢のある側面といえるでしょう。ただ、同時に、地域SNSにその再生を頼らねばならないほど、地域のつながりの疲弊というのが全国各地に広がっているのだなということも実感しました。
地域SNSの関係者も頑張らねばならないのかもしれませんが、それ以外にも地域での人のつながりの再生に色々な手段を持ち込む必要があるのかもしれません。でも、地域SNSすら手段に思いつかない地域も有るんだろうな、と思うと少し日本の未来を悲観したくなってしまいました。
