第17話 法人格って本当にいるの?

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 さて、前回(14話)の話しから3ヶ月も間が空いてしまいましたが、ようやく本筋の、地域活性化と法人格の話しに戻ろうかと思います。ちなみに、第14話のラストの質問のYes項目の数はどれくらいありましたか?数の大小も大事ですが、どの項目にマルがついたかが非常に重要だったりします。ちなみに、最後の4項目が特非向けかどうかのチェックで、初めの6項目は法人の適否のチェックです。それぐらい、法人にするかどうかの大事さは良く考えて欲しいと思っています。


■まず法人ありきになっていないか?

 法人格と言うのは、事業や団体の目的を達成するために法的に人として扱えるようにすることでしかありません。ましてや、任意団体より法人のほうがえらいということはありませんし、法人格を持っているからという理由だけで補助や助成があるということもありえません。
 法人のメリットは、原則論としては所有権の確保でしかないと思って間違いありません。大事なのは、法人化の瑣末なメリットを検討することよりも先に、個人ではなく、団体として保有すべきモノやコトがどれぐらいあるかを検討すること尽きます。


■所有権が必要な「モノ」「コト」ってなんじゃらほい。

 個人として持っていても差し支えない程度のモノとコトで済む事業であれば、何も無理をして法人を作る必要はほとんどないと思います。ところが、活動が長くなると、案外と「団体のモノ」になっているモノは少なくありません。お金に始まって、それなりに大きなところであれば事務所やインキュベーションスペースであったり、耐久消費財などもそれなりに事実上保有しているものです。
 ところが、原則論をいうと、それは団体の所有ではなく、団体の誰かの所有物として法的には認識されます(多くの場合は団体の代表者)。さらにいうと、事業をする上での借金なども、団体の活動のためのものなのに、代表個人の借金になることも少なくありません。
 こうした「モノ」は、活動を続けるためにも個人が個人として生活していき続けるためにも、代表者個人のものではなく、団体そのものの所有物となっているべき性質のものです。
 また、各種契約や権利申請といった「コト」も、同様に個人の契約や権利保有ではなく、団体との契約や権利保有とするためにも非常に重要です。特に、団体の中の個人が自己の利益のために悪用したり、またその代表者個人が原因で権利消失するコトで、その事業そのものが途切れてしまっては話しにならないような活動も少なくありません。


■非営利なコト依存の活動

 実際に、私の働くセンターであった相談のお話しです。障がい者就労の場所を作るために、地元の任意団体が、市役所と話し合って市の施設の中の喫茶スペースを、そこの団体さんがとって、障がい者就労の場にした事例があります。その代表さんは、非常にいい方ではあるのですが、決して資産家でもなんでもない普通の高齢者の方です。なんと、その事業が一年目であたって気がつけば全ての収入が激増してしまい、様々な高齢者向けのサービスを受けることができなくなってしまいそうになりました。収入に応じて所得が増えればいいのでしょうけど、障がい者就労のために個人で雇用までしているので、給与やらなんやらで支出も多く、実所得はほとんど増えていないという状態です。
 で、そこの運営を別法人を作ろうと思ったのですが、なんと、この喫茶サービスに最も重要な「コト」の契約である喫茶スペースの利用契約が、代表者個人との契約になっているのです。早く気がついて、動き始めたからいいようなものの、その代表者が事業半ばで倒れてしまったりしていたらと思うと空恐ろしい事例です。とはいえ、気がついただけで未だその契約切り替え等々は行っていないので、結果としては、実体の伴わない高収入の高齢者が一人増えたことになっています。


■矛盾解消・矛盾予防のための法人化が大切

この事例はやや極端にせよ、自分の事業を個人の契約関係や所有関係だけですすめていくと、このような事態になることは免れえません。まずは、こうしたことに起因する、実態との矛盾の解消や、そういうことが起こることが予想される場合にその矛盾を防ぐことが重要になります。そのためにこそ、法人化を検討して欲しいと思います。


次回は、こうして獲得した法人格をさらに活かしていく戦略という観点から、どの法人を選ぶべきかの話しを紹介したいと思います。
え?本当に次回かって?それは保証の限りではありません。面白いトピックスがあればそれを挟みながら進めて行きますので、読者の皆様のご理解を宜しくお願いします。