第18話 公益性があるからって必ず特非じゃなきゃだめなのか

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先日、健全育成会という地域の任意団体で助成金申請書のはんこを押しました。僕個人の。一応、PTA会長なる物にセットでついてきた代表職でありましたので。「あー、任意団体でやるってのはこういうことなんだな」と、改めて実感しました。継続性のある活動なのに、代替わりのたびに、契約者を切り替えて書類を用意して作業をするという実に面倒くさい話です(本当に面倒くさいのは事務局をしている学校の先生なんでしょうけど)。このほかにもこういう書類が控えているのかと思うと、これこそ法人化して法人印で皆すませりゃいいんちゃうかとか思います。
 前回、第14話のチェックリストについて、少しお話しました。しかしながら、実は、あらゆる法人格を取得する場合の共通の内容であるともいえます。一応、地域活性化コラムなので、まずは先の特非を対象にしたチェックリストを元に話を進めていきましょう。

■そもそも、公益って何だ

 法人格ってのは乱暴に言うと、国家が役に立つから団体に所有権等を持たせるためにあげる人格です。民主主義国家において、国家に役立つというのはみんなの役に立つことを前提としますので、裏を返すと、法人格を持つということは、営利であれ非営利であれ、ある種の公益性を持つことを意味します。実は、その辺は誤解が多いなと思います。法人格を持つということは、何であれある種の公益の一翼を担うということです。たとえば、営利企業だって多様にあるからこそ、職業選択の自由という公益を担保できたりします。
 国家にとって公益というのは何か特殊なものではなく、憲法等の法に定められた内容を実現するのに必要な物事全般を指すわけです。なので、法人格は何を取得するにせよ、ある種の公益性を帯びることになります。営利企業だって犯罪して稼いでいいわけではないのは当たり前のことです。

■んじゃぁ、何のための特非

 じゃぁ、何のために特定非営利活動法人があるのという話になるかと思います。個人的な思いを語ると、無ければ無いでいいんじゃないのと思っていたりします。そうした非営利活動をする上で法人格が無くても、冒頭の健全育成会のように面倒くさいけどそれなりに回せたりしちゃうわけですから。それでも一定の所有権が必要になってしまうような事態も前回のコラムにも書きましたので、そういう事態になったときを考えると、地域活動のようなものであれば、株式会社のようにいきなり資本金を集めるのも難しいでしょうし、宗教法人のように、ご神体とそれを置く土地を定めるのも難しいでしょう。
 また、公益を中心的につかさどる国家や自治体が自分で仕事をやりきれなくなっていくにつれ、その仕事をやってくれる集団として、町内会のような地域組織だけではなく、専門性のある多様な団体に対して、正式な契約の上で仕事を振りたいという実情も少なからずあります。
 そうすると、そういう団体に人格を与えて継続的に活動をさせる必要があるわけです。と同時に、自分の活動がそういう性質のものかを把握する必要があります。

■そこで4条件

 そこで14話で出ている4つの質問があります。それは、特非にする必要十分条件です。客は選ばない、社員も選ばない、会費と寄付をベースに運営、行政の委託事業をやってくれる、というものです。こう書くとおそらく現役で特非で運営されている団体さんで怒る方がいるかもしれませんが、そこはクールに法の狙いだけで、話を進めます。
 この4条件は何で生まれているのかというと、そもそも、共助の組織に人格を与えるのが狙い、ということがひとつ。もうひとつは、どんな言い方をするにせよ、度々のつまり行政の業務の下請けをやってくれる団体のために用意された人格であるということです。そうでないなら、他の公益性を生み出すための諸団体と連携していくために発行されている人格です。
 共助組織の特徴というのが、客は選ばない、社員(権利者)も選ばない、会費と寄付をベースに運営、というのがまさにそれなのです。たとえば町内会のようなシンプルなものをイメージしましょう。町内の活動は町内の人全員に対して基本的には広くあまねく行われます。また、町内会の会員も住んでいる以上は誰でも入れます。町内会に関しては、活動の原資は会費です。お金を払ってみんなで働くというのが共助組織の基本です。
 まずは、皆さんの事業体をどうして行きたいかというのは、非常に重要な話になります。

■独立独歩?連携?

 行政の下請け、というのは極論ではありますが、そうではないにせよ、地域企業やその他の団体と契約行為というレベルで、連携する必要があるのか否かというのが非常に重要になります。変な話、他者と組まないで自分でやるのであれば、そもそも、法人格は不要でしょうし、そういう相互連携のレベルの話しで無く自分の生活との整合性で必要な法人格であれば、株式会社でも作ったほうが良かったりします。また、特非がないころに、特非でもできるような事業を有限会社等で設立していて今に至っているような組織も少なからずあります。
 とすると、特非である必要というのは、あるようでなかったりします。それでも、共助組織のように、多少まどろっこしくても「地域のことは地域のみんなで考えてみんなで決める」という組織運営をしたい上で、加えて他者と組んで地域づくりをしたいというときには、特非という選択肢はきわめて優れていることになります。

 皆さんの活動はオープンで自由に参加できてみんなで行う性格のものですか?それともある程度はクローズドで一人の代表者がすばやく判断を下すような性格のものですか?
 前回の法人化のコラムとあわせて、法人化を検討するときにはこの辺をよくよく考えてみてください。