第21話 愛フェスに見る新しい公益の姿

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第21話 愛フェスに見る新しい公益の姿

 前のコラムでも、ちょこっと紹介した、日本初愛知発のファンドレイジングイベント愛フェスがこの6日に無事閉幕しました。二日間で2万8千人もの方が会場のある愛・地球博記念公園に来場いただいたそうです。ありがとうございました。
 西三河ブロックの責任者ではありましたが、この本番に関しては、僕は無役だったので一お客として遊びに行ってきました。なんたって、キャッチコピーは「楽しむことが誰かのためになる」ですから、まずは楽しんでこないと。

 

■ステージよりもNPO村が大盛り上がり

ph21_2.jpg    この愛フェスの基本構造は、投票券を買って入場し、そのなかで、ライブやイベント、はたまたB級グルメ等々を一日楽しんで、その合間で、NPOが集うNPO村に行って、今まで目にしなかったであろう、NPOな人々を色々観察して、気に入ったNPOに一票を投じて、入場料相当をその中の気に入ったNPOに寄付をするというもの。
    なので、本来的には、ライブやらイベントをやっているステージと、B級グルメ等の屋台が大盛り上がりで大混雑、となるはずなんだけど、意外や意外。いきなりNPO村が大盛況でした。うちも家族連れ甥姪連れで行きましたが、もう、子供らはNPO村の人々が繰り出す数々の小物作り体験から離れません。で、その合間に親の私達はNPOの方々とゆっくり話せるというわけで。

 

■NPOに力がついたのか、市民が変わったのか

ph21_0.jpg 正直、目論見が思わぬ方向に外れていたので、驚きでした。一つには、約80のNPO団体に参加いただいていましたが、どの団体も市民へいかにアプローチするのかということを、自分たちのできるリソースで最大限考えていた結果ではないかと思います。それがひとところに80も集まったのですから、それはそれは楽しい空気を作り出していたのだと思います。
 もう一つは、やはり市民の方も意識が変わったのではないかと思います。それは、公益への意識というのではなく、むしろ、華美な演出よりも実のある楽しみ、を選ぶようになってきたのだと思います。御買い得なライブに500円払う、という意識ではなく、500円なりに楽しめるであろう御祭りに参加しよう、という感覚だったのではないかと思います。
 やはり、特定非営利活動促進法施行10年という歴史は、市民団体、市民双方を育ててきたんだなという実感があります。

 

■地方の代表は自治体から市民へ

 このように市民も市民団体も育ってきているのに、未だに、すべての公益は税でまかなわれ、多くの市民団体の財源は助成金というかたちで税が循環してきている現実があります。地方・地域で言えば公益の代表者は市役所や町役場等の自治体であり、その自治体の仕事の一部を市民団体が担うという形でのみ、市民団体が公益を担う、という図式が見え隠れしています。
 愛フェスの一番の意義は、僕が思うに「税でやる公益、これがすべて」という図式を崩していくことではないかと。どんなに自分にとって価値のある公益性のある活動であっても、税でのみ動くとなると、議会のなかで合議の上でしかそこにお金が回らないということになります。だったら、税とは別にその公益にスコンと税の一部を事前にそこに寄付できればいいわけです。寄付控除という仕掛けが一般的にはそれに当たりますが、日本ではまだまだ金額も小さくあまり利用されていません。そのためには、三つ変わらなければなりません。
 一つは、国や自治体が変わらなければいけません。税でやれる公益には限度があるのだからその分だけ税でとってあとは取らない、という姿勢にかわること。
 もう一つは、特非等の市民団体が変わらなければいけません。自分たちの公益は助成金や事業費でしか実現できない、という意識をなくすこと。
 そして一番重要なのは、市民である私たちが変わることです。公益の代表者は自治体ではなく自分であって、自分の意思で税による公益と寄付による公益をつくるという意思を持つことです。
 地方の代表者は自治体や首長ではなく、そこに住む市民一人一人に代わるべきなのです。


ph21_3.jpg   愛フェスのファンドレイジング投票という仕掛けは、これを簡単に体験するための第一歩です。まずは体験を通じて、新しい公益の担い手としての自覚を、市民と市民団体にもってもらう重要な第一歩になったと信じています。
 で、一歩が一歩で終わってはいけないので、もう二回目に向けて関係者は動き始めているようなんですけど、僕もまた来年手伝うのかしら。
 新しいことをするって、楽しいけど、しんどいなぁ。


   

日本初、愛知発。ファンドレイジングイベント「愛フェス」
http://ifes.jp/

 

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