つい先ごろ、DGDSの世界戦略に向けて、ヨーロッパでの法人設立準備、特許技術ライセンシング、研究基盤の構築および技術標準化に関する関係先との打ち合わせを兼ねてヨーロッパに一ヶ月近くの出張に行ってきた。
いずれのところでも、DGDSの技術に深い驚きと、なんでたかが香りに生理活性があるのか?、という同じ質問が繰り返されたが、データを前に、ただ、大変興味深い技術、香りで本当にエフィカシーがあるのであればそれは凄いインパクトのある技術であるという評価を得た。
脂溶性であるために、従来の製薬会社が作る薬剤とは異なり、リンパ管、細胞内にはいるものの、香りであるために脳への毒性はないということが話題の焦点であった。当然、反復投与の毒性試験をしていることは言うまでもない。ベンチャーとしてはかなり無理をしたのだが、反復投与の毒性試験を実施しているからこそ安全性を標榜できる。しかし、なによりいいのは、飲み薬と違い、万が一副作用がでれば、貼るのを辞めればいいのである。こんな会話をフランス語なまりあり、ドイツ語なまりあり、スペイン語なまりあり、スウェーデン語なまりありの大学研究者、医師、企業研究者、投資家などと語りあってきた。
さて、研究基盤構築と技術標準化、言う意味では、ストックホルムのカロリンスカ研究と、リヨンのヘリオット・ホスピタル内のINSERMの研究者とは具体的なDGDSの経皮吸収メカニズムについての解明を含める共同研究に関する打ち合わせを行った。また、リヨンでは抗ウイルス研究のヨーロッパアカデミアネットワークの所長をはじめ、弊社の創薬開発に関係の深いI型アレルギー(花粉症やアトピー性皮膚炎)、さらに近年開発着手している抗がん剤のキーパーソンとの接点を持てたことは、今後当社のDGDS技術の客観的評価データを得る上で貴重な機会となった。
またフランスに拠点をつくるべくリヨンでのインキュベーション施設と研究拠点の視察を実施した。スイスのロシュおよびメルク、サノフィーアベンティス、サノフィーパスツールなどでは、特許技術ライセンシングに関るDGDSと前回紹介した抗HIVについてライセンスの第1段階であるnon confidentialなデータの紹介をしている。
さらに、その後、ヨーロッパの投資家や証券関係者とヨーロッパ進出における経営的な観点からのアドバイスなどをもらった。日本の我々のような企業への投資はしたいのだが、なかなかネイチャーテクノロジーのようにヨーロッパに来ることがないために、情報が入らないし、また、頻繁にあうこともできないために情報が途切れる。
したがって、投資の検討は行うのだが、実際の投資にまではいたらない。DGDSの内容については、彼らとしても実際の国立病院や、有名病院などにおいて実績があること、剤形として安心であること、多用な疾患への用途の可能性があるので、近年の創薬バイオベンチャーに比べてリスクが低いために投資をぜひしたいような話まででてきた。
ハーバルメディソン、そして、ホメオパシーが正式の医療として認められているヨーロッパにおいては、我々のサイエンスとしてDGDSの真価が認められる日も近いことを強く感じた出張であった。
